2019年2月20日
『逆転裁判123 成歩堂セレクション』開発コラム 第3回「新アレンジ曲への挑戦」

新アレンジ曲への挑戦

おつかれさまです、ディレクターの児玉です。
第一回のコラムが僕で、二回目が巧さん、さて三回目は誰だろう・・?と思ったあなた、なんと僕が最速再登場です。

開発コラム三回目は「逆転裁判123 成歩堂セレクション コレクターズ・パッケージ」に同梱されているサウンドトラックCD、【逆転裁判 メモリアルセレクション】についてご紹介します。

このサントラは、ゲーム中の楽曲(厳選14曲)に加え、過去に発売されたアレンジCDの曲(厳選8曲)も加え、そして、本作用に新しくアレンジした2曲を惜しげもなく加えた大変豪華な1枚となっています。そのなかの新作「Turnabout Sisters – Seaside Swing」の制作風景をちょっとだけご紹介。

『逆転裁判123』コレパケ サントラCD試聴映像1
(Turnabout Sisters – Seaside Swingは28秒から)

あの超名曲、逆転姉妹のテーマのボーカル曲です。僕個人としては、本移植タイトルを通じて「逆転裁判を世界中にPRするぞ!」と考えていたので歌詞を英語にしました。歌詞は巧さんと逆転シリーズ翻訳のエキスパート、ジャネット・スーにお願いし、編曲は大逆転裁判でお馴染みの北川さんに担当頂きました。圧倒的盤石の布陣・・!

北川さんの提案で本楽曲は多くの生楽器を使っています。その中でも異色なのは「カホン」。僕はまったく知らなかったですが、打楽器なのだそうです。見たこと無いけど、名前から想像するに太古のリズムを感じます。大平原、シャーマン、原初の儀式みたいな。と、まだ見ぬ出会いに思いを馳せていたところで登場したのがコレ。

ああっ!想像とだいぶ違う!かなり現代的!そもそも説明されないと楽器だと分からない!その黒い部分を叩く感じかな?…などと興奮していたところに演奏者が登場、演奏をはじめたのがコレ。

ああっ!またしても裏切られた!そこ座るところ?中学生の椅子の座り方みたい!全くの無知でごめんなさい!…一通り興奮し、カホンの正体が判明したところで、収録は進んでいきます。

凄い!素敵な写真がたくさん!カホンの衝撃で見逃しがちですが、なんと作曲家の北川さんがアコースティックギターの演奏担当だったのです。演奏もできるとか凄すぎる。メガネもお洒落。そして謎に包まれた歌姫たち。

何度も取り直し、その場で相談・ブラッシュアップを繰り返し、およそ4時間かけて収録が完了。あとは北川さんの作業場に音を集結させ、音にまじったノイズを1つずつ消して曲を完成させます。(音を磨くと言うそうです。)生楽器なのでこの作業も大変。

余談ですが、完パケの前日、北川さんから締切を1日延ばしたい連絡がありました。話を聞いてみると「いま、意識がすごく集中していて、いままで聴こえなかったノイズが聴こえるので対処したい」とのこと。そう、北川さんは超聴力の持ち主でした。すごすぎます。

そんな極限まで磨かれた「Turnabout Sisters – Seaside Swing」が収録されているのは【逆転裁判 メモリアルセレクション】だけ!どうぞ皆様、よろしくお願いいたします!そして、今回ご紹介できなかった「勝訴のバラード ~終わりと始まり」もいつかの別の機会にご紹介できればと思います!

こんなに素敵な新アレンジ曲ですが、僕に出来ることはささやかな応援とケータリングを買ってくるだけ。。言うが易し、言易行難、アーティストの皆様には頭が上がりません。彼ら、彼女らの頑張りとガッツが詰まった『逆転裁判123 成歩堂セレクション』は、いよいよ、2019年2月21日発売です!どうぞよろしくお願い致します!おしまい。